Webマーケティングのキラーコンテンツ!インタビュー記事の作り方
Webマーケティングに欠かせないコンテンツ作りですが、苦労するのが新しい企画やネタを見つけること。競合サイトと似たり寄ったりの内容になってしまったり、新しい切り口が見つからなかったりした経験は、マーケティング担当の方なら一度はあるのではないでしょうか。そんなコンテンツ作りの強い味方となるのが、インタビュー記事。その道の専門家や有識者が語る生きた言葉は、多くの読者ユーザーの心をつかみます。インタビュー記事の制作方法について、基本的なことを解説してみましょう。
もくじ
■インタビューとは?
インタビュー記事には3つの形式がある
言うまでもなくインタビューとは、取材対象者に話を聞き、その内容を文章としてまとめてものです。非常にオリジナリティが高く、取材の場で聞く生きた言葉をコンテンツとして形にできるという点で、非常に価値が高いものと言えるでしょう。
誰に・何の話を聞くのかと同様に重要となるのが、どのような形式でインタビューを実施して、記事としてまとめるのか。インタビューには、3つの基本形式があります。
- 対談(Q&A)
- モノローグ(一人語り)
- ルポ(客観的記載)
もっともオーソドックスな形式が「対談形式」です。質問をするインタビュアーに対して、取材対象者であるインタビュイーが答えるという形式。特定の話題について質問をして、その答えについて記事にしているため、分かりやすさの点で優れている形式です。
2つ目に挙げるのが「モノローグ形式」。これは特定の人物が自分の言葉で、一人称で語っている形式になります。読者ユーザーや世間一般の人に対して、自分の考えや主張を説明するのが目的。実際には質問をするインタビュアーがいるのですが、その存在を消した形になっている形式です。
最後が「ルポ形式」。これは、インタビュアーの存在を消して、取材対象者が自分の言葉・一人称で語る「モノローグ形式」とは全く逆の形で、第三者が客観的に物事(取材やインタビューした内容)を記事にする形式。「~~だ。~~である。~~と考えられる」といったロジカルな文体になるのが特徴です。
上記の3つの形式はそれぞれに特徴があり、同じ話題について触れていても、読者に伝える印象が変わってくるので、目的に応じて上手く使い分けたいところです。
インタビュー取材の形式について
インタビュー記事の書き方について触れる前に、インタビューに先駆けて行っておくべき準備について説明します。
インタビュー、または取材に関しては、「対面」と「オンラン」の2つのやり方があります。インタビューと同時に写真撮影も行う場合は「対面」になるのが基本ですが、撮影だけ別日に行い、インタビュー自体は「オンライン」で実施するケースも増えています。また、複数の人物に同時にインタビューを行う場合にも「オンライン」が好まれることが多々あります。移動の必要がなく利便性に優れたオンライン形式ですが、臨場感という点では対面形式に劣ります。
■目的別インタビュー対象者の選び方との効果
専門家、権威者
インタビューを行う対象者の選び方で一般的なのが、権威ある人物や専門家です。特定の分野での出来事、事件について、その歴史や背景なども踏まえた多角的な意見ができる専門家へのインタビューが人気を集めています。有名な人物になれば、その人の評価・見解がマーケットに影響を与えることも多く、インタビュー記事そのものの検索数も大きく伸びることが期待できます。
モニター、お客様の声
専門家や権威者へのインタビューとは逆に、読者ユーザーと同じ視点を持つ一般の人や商品・サービスを利用するモニターへのインタビュー記事も有効です。使う人と同じ視点に立った意見や説明、疑問に対する回答などは、ユーザーからの共感を得る体験談として人気を集めています。インタビュー記事を読んでくれると予想されるターゲット層に近いモニターやユーザーへの取材の実施・記事の制作がおすすめです。
開発者、作り手
商品・サービスを使うユーザーでもなければ、評価・批評を行う専門家でない、作り手自身が語る方法があります。開発の背景、技術的な苦労やこだわりのポイントなど、商品やサービスの裏側にある話を引き出し、ストーリー性を生み出すコンテンツとして活用できます。ブランディング効果も期待でき、読み応えのあるインタビュー記事へと仕上げることも可能です。
著名人、ブランディング
著名人やタレントを使ったブランディング、プロモーションの一環としてのインタビュー記事です。最近では、人気のインフルエンサーに取材を行うケースが増えています。
■インタビューの準備と心構え、流れ
取材依頼
インタビュー記事によるコンテンツ作りをする場合、まずは目的に応じた人選を行い、取材対象者に質問内容を共有しましょう。きちんとこちら側の意図や取材の背景・理由・目的を相手に伝えることで、意図を汲み取った対応をしてもらいやすくなります。インタビュー記事をうまく作るコツは、何と言っても取材対象者の協力をどこまで得られるかにかかっています。対象者の方が気持ち良く取材に応えてくれることで、インタビュー記事の内容にも広がりや深みが生まれ、コンテンツとしての価値が飛躍的に高くなります。
取材実施
質問する内容は、「必ず聞くもの」と「時間に余裕があれば聞くもの」に大きく分けておきましょう。平均的な取材時間は1時間程度ですから、1つの質問に対して5分ほど答えてもらうとしても、それだけで50分が必要です。話が脱線することも多々ありますから、必ず聞いておかなければならない内容から質問するのがベターです。
原稿制作
インタビューでは、聞き手と書き手が分かれている場合もあります。その際には、音声データを共有するなどして、できる限り正確に情報共有できるよう工夫してください。音声データを保存しておけば、原稿の修正依頼があった際にも安心です。取材現場に同席していない外注ライターに執筆を依頼する際には、どういった趣旨・目的で記事を制作するのかも併せて伝えておくとよいでしょう。目的に導くような構成での記事制作が可能になります。
先方確認
記事内容によっては取材対象者本人や広報担当者などクライアントの確認が必要です。基本的に取材で聞いた内容はすべて公開してよいものと認識しておけば大丈夫ですが、場合によっては事実ベースでの修正作業が必要になります。
■インタビュー記事制作のポイント
目的に合った形式の採用
「対談」「モノローグ」「ルポ」の3つの形式から、インタビューの目的に合ったものを選びます。対談形式の場合は、話し言葉になるため、その場の雰囲気や本人の人柄、臨場感が伝わりやすくなります。モノローグも「です・ます調」の丁寧な語り口調となり、読者が共感しやすい文章になるのが特徴です。一方のルポ形式は、「だ・である」という強い調子が特徴であり、説得力を強めたい場合などに最適です。
構成
1つの質問に対して、1つのメッセージにまとめると読者が理解しやすくなります。話の流れのままに文章を作るのではなく、あらかじめ文章全体の構成を考えましょう。最初にプロットを組んでおけば、ライティングもしやすくなります。
執筆
構成がしっかりとできれば、執筆そのものは決して難しくありません。読みやすさを意識して、文章は簡潔にまとまるように意識してください。逆説を多用したり、文章がねじれてしまったりしないよう、校正作業も忘れずに行いましょう。その上で、インタビュー対象者の口調や人柄が伝わるように仕上げられればベストです。
情報の補完
読者が知らない専門用語があれば、解説を()で加えるなどの工夫をするのも大切です。予備知識が必要な話題であれば、背景や仕組み、関連情報を補完して、読者にも理解しやすい形にしてください。
読みやすさのチェック
最後に読みやすさをチェックしますが、ここでは第三者の視点になりきって読み返すことが大切になります。できれば、実際に誰か他の人に読んでもらえると良いでしょう。ターゲット視点を意識した読みやすさの工夫、見出し・リードコピーの拾い読みでも意図が伝わる工夫など、最終的な微調整を加えて記事が完成します。
■まとめ
インタビュー記事制作の人選などの事前準備から取材の実施、記事制作までの基本的な部分を解説してみました。目的に合った人選や形式、ライティングを意識することで、インタビュー記事はWebマーケティングのキラーコンテンツになる可能性を秘めています。インタビューだからこそ聞ける話題やネタを引き出し、オリジナリティの高いコンテンツへと仕上げてください。