Webサイトを使った集客やブランディングを強化したい場合、最も頼りになるのがコンテンツディレクターです。Webマーケティングのプロとして、集客やブランディングの課題を引き出し、SEO対策も含めた最適なコンテンツマーケティングを企画・運用してくれます。クライアントのWebマーケティングを成功に導くキーパーソンについて、仕事内容や必要なスキル、実力の見極め方までを解説していきます。

コンテンツディレクターとは？

（1）クライアントの希望を汲んだコンテンツを生み出すプロ

コンテンツディレクターの仕事は、効果的なコンテンツマーケティングの計画を立てることです。コンテンツマーケティングは、無計画にコンテンツを配信したからと言って、すぐにサイトの流入増加やブランディング効果が表れるものではありません。自社サイトの課題を明確にして、どのような内容をどのタイミングで配信するのが最も効果的かを考える必要があります。

サイトの流入増やすSEO対策では、キーワード選びが重要です。競合となるサイトも参照しながら、検索上位を獲得できるよう、戦略的にコンテンツの充実を図っていかなければなりません。サイト全体を統括するためにコンテンツマップを作成して、似た内容のページばかりになるのを避ける必要もあります。こうした目標の設定、コンテンツの検索ボリュームと個数、更新頻度などをすべて管理するのが、コンテンツディレクターです。

（2）品質とスケジュールの管理

コンテンツ制作のプロジェクト全体が計画通りに進んでいるのか管理することも、コンテンツディレクターの仕事です。コンテンツ制作には、ライターやデザイナー、フォトグラファー、エンジニア、運用担当といったいろんな職種のメンバーが関わります。メンバーを募るところからスタートし、プロジェクト進行中は個々の能力を把握した適材適所のマネジメントが必要です。

また、コンテンツの品質を維持・管理することも大切な仕事です。メンバーのマネジメントをしながら、コンテンツがSEOに相応しい内容になっているか目を光らせる、非常に責任の大きなポジションです。

（3）課題を解決するための企画の提案

優秀なコンテンツディレクターの証は、コンテンツの力でクライアントの課題を解決できた、という結果を出すことです。SEO対策への意識が高い企業が増えている中で、競合サイトと似たコンテンツを量産しても効果が上がりません。競合とは違う新しいアイデアを実施してはじめて、クライアントの課題を解決することができます。単に管理能力に優れているだけでなく、アイデアを生み出すクリエイターとしての能力が必要です。

（4）効果に対する責任を負う立場

コンテンツ配信後の効果の測定と改善も、コンテンツディレクターの仕事です。効果測定の指標となるのは、サイトの流入数やCV率の推移です。データの収集には、GoogleサーチコンソールやGoogleアナリスティクス、その他のツールも活用します。ターゲットの行動分析、競合サイトのベンチマークなどを行う他、SEOの知見が求められる場面も多々あります。さらには、SEOに留まらず、広告やSNSを含めたWebマーケティング全般に関する専門的な知識が必要です。

良いコンテンツディレクターの条件、見分ける方法

（1）最も重要なのはコミュニケーションスキル

コミュニケーションのスピードや正確さが非常に重要です。クライアントからは日々新しい要望が寄せられ、クリエイターには常に最新の情報を共有し続けなければいけません。コミュニケーションや連絡が滞ることで、いろんな弊害やトラブルが起こってしまいます。連絡や情報の伝達がスムーズで、タイムラグを起こさないことが優秀なディレクターの条件です。

（2）プロジェクトの進捗管理ができること

プロジェクトメンバーに締め切りを守らせることも非常に大切です。作業が予定通りに進まない場合も、リスケして、軌道修正できるかどうかが重要になります。納期や期日を柔軟に動かすことも、進捗管理には必要です。冷静な判断力と調整能力を発揮することにより、コンテンツの品質を担保する責任あるポジションと言えるでしょう。

（3）品質に対する責任を負えるか

SEOコンテンツの品質を測る観点は、大きくわけて2つあります。1つはコンテンツそのものがおもしろい、またはユーザーに刺さる内容であるかどうかという点。もう1つがSEOを意識した品質であるかどうか。この2点の責任を担うのがコンテンツディレクターです。

コンテンツとして魅力があるかどうかは、感覚ではなく、下記のGoogleの評価軸を基にチェックします。

• 設定したキーワードとの関連性がしっかりとあるか
• コンテンツの主張がユーザーや検索クローラーから理解されやすいものになっているか
• 複数キーワードでの上位表示獲得を狙った雑記になっていないか
• 専門性の高い内容であるか

また、内部対策・外部対策が行われたページであることも品質の1つです。

• タイトルやディスクリプションにキーワードが含まれているか
• キーワードの出現率は適切か
• クローラーが発見しやすい構造なっているか

上記のチェックリストを基本として、テクニカルな部分でのSEO対策の品質を確かめることで、品質を保証していきます。

こうした対策が漏れなくできているディレクターは、コンテンツマーケティングの知見があるため優秀だと言えるでしょう。機械的にスケジュールを進めていくのではなく、品質に対する責任を負う意識があるかどうかが見極めポイントです。

（4）実績で判断する

コンテンツディレクターの経歴から判断する方法もあります。豊富な実績を持つ人は、コンテンツ制作に対する知識が多く、クライアントの課題に適したプロジェクトチームを編成する能力もあるでしょう。また、コンテンツディレクターの得意分野が自社の課題と合うかどうかも重要です。取り入れたいターゲット層に詳しいディレクターであれば、これまでに培ってきたノウハウを活かせる場面も多くあるでしょう。

コンテンツディレクターにコンテンツ制作を依頼する方法

（1）マーケティング会社や制作会社に依頼する方法

コンテンツディレクターにコンテンツづくりを依頼したい場合は、Webマーケティング会社やWeb制作会社に問い合わせるのが一番簡単です。各社には、企画からディレクション、品質管理までをすべて手掛けるディレクターがいて、いろんなオーダーに応えています。コンテンツマーケティングやSEO記事の制作を発注すれば、コンテンツディレクターが窓口となってプロジェクトを進めてくれます。

（2）クラウドソーシングから探す方法

会社に所属しているコンテンツディレクターがいる一方で、フリーランスや業務委託という形でプロジェクトを統括している人もいます。人脈をたどって見つける方法もありますが、現在はクラウドソーシングから探す方法が主流です。登録しているフリーランスのコンテンツディレクターに直接依頼して、報酬を支払います。クラウドソーシングは本人のプロフィールから過去の実績、得意分野、費用などを確認できるのがメリットと言えるでしょう。

まとめ

クライアントの課題を解決に導き、プロジェクトの進捗を管理しつつ、品質にも責任を負うのがコンテンツディレクターです。それだけに、多岐にわたるスキルが求められます。優秀なコンテンツディレクターかどうか見極めるには、実際にコミュニケーションを取ってみるのが一番早いかもしれません。レスポンスは遅くても質問に対して丁寧に回答するタイプもいれば、常にスピード感を持って対応するコンテンツディレクターもいます。それぞれに強みや得意とする分野が違いますから、自社のニーズに合った人選を心掛けてください。