コンテンツマーケティングの重要性が高まっている今、施策への着手を検討している企業も多いかもしれません。しかし、「そもそもどのような目的で取り組めばいいのだろう」「施策によって目的は違うのだろうか」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、コンテンツマーケティングの目的を施策別に解説します。また、コンテンツマーケティングを成功させるポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

コンテンツマーケティングとは？

そもそもコンテンツマーケティングとは、どのような施策のことを指すのでしょうか。
本章では、コンテンツマーケティングの定義や注目が集まる背景について解説します。

（1）コンテンツマーケティングの定義

コンテンツマーケティングとは、ターゲットに対して有益な情報を提供し続けることで、顧客化やファン化を目指す取り組みのことです。代表的な手法としては、オウンドメディアのコラム記事やメルマガ、ホワイトペーパー、事例紹介、SNSの投稿、ウェビナー、プロモーション動画などが挙げられます。多様なメディアを通じて専門的なノウハウや自社商品の特徴などを伝えることで、ターゲットの購買意欲を効果的に高められる施策です。

（2）コンテンツマーケティングに注目が集まる背景とは？

近年はインターネットが普及したことで、SNSや動画サイト、各種Webポータルサイトをはじめ、企業と顧客のチャネル（接点）が多様化しています。従来のように企業がマス広告で一方的に情報発信するのではなく、顧客側が自発的にインターネットで情報収集できる時代になったのです。そのため、企業が顧客とのチャネルを拡張すべく、コンテンツマーケティングに着手し、Web上での情報発信に力を入れるケースも増えてきています。

また、社会に「広告」が溢れている今、広告に対して嫌悪感を持つユーザーも増加しています。一方のコンテンツマーケティングは、できるだけ売り込みを排除し、ユーザーに有益な情報を届けようとする施策です。価値ある情報を届けてくれる企業に対して、ユーザーは強い信頼感を抱き、ブランドイメージも高まります。このような“脱広告”の流れのなかでコンテンツマーケティングが注目を集め、多くの企業が取り入れている状況です。

コンテンツマーケティングの目的を【施策別】に解説！

コンテンツマーケティングにはさまざまな施策があり、それぞれに目的も異なります。
そこで本章では、コンテンツマーケティングの施策別に、目的や重要性、効果などを解説します。

（1）コラム記事　～潜在顧客の集客～

コンテンツマーケティングの主な施策に、オウンドメディアのコラム記事があります。コラム記事の目的は、潜在顧客を自社サイトへ流入させ、新規リードを獲得することです。コラム記事でお役立ち情報を発信すれば、検索エンジンを通じてユーザーに記事を見つけてもらい、自社に興味を持ってもらえるようになります。それを起点に商品ページへ誘導したり、カタログのダウンロードを促したりと次の購買行動へつなげることも可能です。

（2）ホワイトペーパー　～リード情報の獲得～

ホワイトペーパーとは、商品の比較・検討に役立つ情報や専門的なノウハウをまとめた小冊子のことです。ホワイトペーパーの主な目的としては、リード情報の獲得が挙げられます。ホワイトペーパーは、ダウンロードの際に氏名や役職、メールアドレスといった個人情報の入力を必須にすることが一般的です。そのため、ホワイトペーパーをオウンドメディアに設置すれば、ユーザーにダウンロードを促しリード情報を得られるようになります。

（3）メルマガ　～リードの育成～

見込み顧客に配信するメルマガも、コンテンツマーケティングの代表的な施策といえます。メルマガの目的は、見込み顧客と継続的に接点を持ち続け、購買意欲を高めること（リードナーチャリング）です。例えば、メルマガでコラム記事やホワイトペーパーのリンクを送ることで、自社サイトへの流入を増やせます。また、キャンペーン情報や商品の導入事例などをメルマガで紹介すれば、見込み顧客に問い合わせを促進することも可能です。

（4）ウェビナー　～商品理解の促進＆ブランディング～

ウェビナーとは、見込み顧客を相手に、オンラインで動画を配信する施策のことです。主な目的としては、商品理解の促進やブランディングが挙げられます。ウェビナーで自社の専門的なノウハウを公開すれば、見込み顧客からの信頼性が高まり、ブランドイメージを向上できるのが利点です。また、ウェビナー内で自社商品の特徴や強みも訴求することで、商品のイメージアップを図り、その後の問い合わせや商談につなげることもできます。

（5）事例コンテンツ　～購入の促進～

事例コンテンツとは、「自社商品の導入事例」や「顧客の声」を紹介するための記事を指します。主な目的は、見込み顧客に商品の導入イメージや使用感をわかりやすく伝え、購買に向けた“最後の一押し”をすることです。例えば、導入前の課題や商品のメリットについて既存顧客にインタビューしたうえで、事例記事にまとめます。それを見込み顧客に公開することで、導入に向けた不安や疑問点を払しょくでき、購買を促すことが可能です。

コンテンツマーケティングを成功させるポイントとは？

コンテンツマーケティングで成果を出すためには、どのようなことを意識すべきなのでしょうか。
本章では、コンテンツマーケティングを成功させるためのポイントについて解説します。

（1）ターゲットを明確にする

コンテンツマーケティングの目的は、万人にPRすることではなく、自社のターゲットに購買行動を促すことです。そのため、あらかじめターゲットの人物像を明確にする必要があります。例えば、ターゲットの年齢や性別、役職、職種、業界、普段使っているメディア、業務上の悩みなどまで細かく想定しておくことが肝心です。ターゲットが定まっていれば、受け手のニーズを想像しやすくなり、より満足度の高いコンテンツを制作できます。

（2）購買プロセスに沿ってコンテンツを考える

自社のことをまだよく知らないターゲットに対して、いきなり商品の購買を促すのは至難の業です。まずは自社を「認知」してもらい、「情報収集」や「比較・検討」を経て、「購買」してもらうという一連の流れを経る必要があります。そのため、ターゲットの購買プロセスを意識してコンテンツを制作することも大切です。例えば、コラム記事は「認知」フェーズに適しており、ウェビナーは「情報収集」や「比較・検討」フェーズに適しています。購買行動の導線に沿ってコンテンツを作れば、スムーズにターゲットの購買意欲を高められるでしょう。

（3）コンテンツの“届け方”も考える

コンテンツはターゲットに閲覧してもらってはじめて、効果を発揮します。そのため、コンテンツを制作する前に、ユーザーへの届け方も考えておくことが重要です。例えば、オウンドメディアのコラム記事を多くのユーザーに読んでもらいたい場合は、SNSでリンクを拡散したり、プレスリリースで紹介したりという方法があります。さまざまなメディアを駆使してコンテンツをユーザーに届けることで、より費用対効果も高められるでしょう。

まとめ

コンテンツマーケティングにはコラム記事やウェビナー、ホワイトペーパーなど多種多様な施策がありますが、それぞれに目的や効果が異なります。そのため、各施策の役割を明確にしたうえで、必要なものを取り入れることが大切です。各施策の目的が明瞭であれば、方向性が揺らぐこともなく、成果に結びきやすくなるでしょう。